天秤

2004年2月27日 日常
土日はPさんと旅行に決定。

だからというわけではないが今夜は彼氏と会った。

彼は私の部屋に入ると無口のまま洋服を脱ぎ捨てた。
私が困惑してると目で「脱げよ」と合図する。

先週から生理だったので彼のお相手はしていなかった。
「口でもいいからやってくれ」
と言われても、腹痛と頭痛のせいにして不機嫌さを装った。
なんだか会ったらお決まりでセックスするのだけは嫌だった。

特に自分の部屋ではセックスはしたくない。

慣れ親しんだ相手だしわざわざホテルに行くことじゃないのは知っている。でも。。。。。
セックスの時間は限られていて彼はそれが終わるとササッと帰り支度をするか、ダラダラ部屋で過ごす。
私はどこへも行けない。
ここが私の場所だから。

喧嘩をしても彼は出て行かれるけど、私はこの場で立ちすくむだけ。

案外ロマンチックが好きなのかもしれない。
私って。

日常をちょっと崩したセックスも、射精後には戻る。

私のお腹に出した精液のついたティッシュも私の部屋のゴミ箱に入るわけだ。

彼が飲んだコーヒーの残りもキッチンのシンクに残る。

それが嬉しいと思ったのはごく最初のうちだけ。



いつのまにか私と彼の関係は「慣れすぎ」になってしまったようだ。セックスも盛り上がるけどいつものように終わる。

「土日はどうするの?どっか遊びに行くの?」

性欲を果たし終えた彼の目は静かで疲れてて優しかった。

でも私は心の奥底で違うものを探していた。
私は彼がPさんとの関係を責めないのを安堵の気持ちで感謝してた。しかしその反面、止めれない彼の弱さを勝手に弱さと解釈してしまっていた。

Pさんとの別れを望まれたらきっと私が離れていくのを彼は知ってるのだ。



二人を天秤にかけているのか?

いや。私の心の中には複数の男たちの影がある。

グラグラ揺れて仕舞いにはみんな消えるのだろう。



それでも・・・・

彼が私に火を付けたから。

ベッドに無防備に横になりウトウトしかけてる彼を私が襲う。



生理後の私の身体は恥ずかしいくらい飢えていた。

激しく突かれてももっともっとおまんこを苛めて欲しかった。
私のマゾ気が開花され、嫌な気持ちは反対に快感になる。

こんな私には優しくしないで打って欲しいと思うこともある。
精神的にがっと心臓を掴まれたい。

嘘のご主人様はいらない。
嘘はすぐ見破れる。

「女を跪かせ思い通りにさせよう」

なんて簡単に思ってる相手だったら私にMの気持ちは生まれない。
固い石のように冷たいままだと思う。



彼は眠そうな顔をこちらに向けて腕を私の首に回す。
私はその腕を噛んだ。
彼はビックリして私を見たがすぐ指を私の中に挿入した。
充分に濡れてるから彼の指は私のおまんこに吸い込まれる。

「熱いよ。ベビー・・・・」

彼は私の耳元で卑猥な事を喋りだす。
私の息も荒くなる。




私の部屋はただの風景。

私はただただセックスに溺れたかった。
セックスしか出来ない身体でいたかった。

どうしてこんなに好きなんだろう。




瞼が完全にくっつくまで、
私は全身を使った。

朝はそこまで来ていた。

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