Pさんに会った。

Pさんはご機嫌できっちりした格好をしていた。

スーツ姿の男性は凛々しく好きだ。

私もそれなりにお洒落した。

セックスはなし、と思ったから、
下着は普通に黒。
それにベージュ系のワンピースにした。



ホテル内のあるレストランに入る。

メニューも全てPさんに任せた。

コースで私たちはゆっくり食事をした。

一皿一皿を味わい、
雰囲気に酔いワインに酔った。

Pさんは言った。

「俺が和食だとしたらT君は洋食だな」

「つまり・・・・・」

「ベビーは飽きっぽいんだ。和食が大好きでも時には飽きる。その時に舌に印象的なスパイスの洋食を腹に入れたとする。するとベビーはどっちが好みか分からなくなる・・・」


Pさんは仕事の話をするように淡々と喋る。

「おい、なにかコメントは?一人で話をしてる俺の事も考えてくれよ。これでも今夜はかなり緊張してるっというか・・・」



私は笑う。

「Pさん・・・・いつもありがとうございます。なんかね、やっぱりアナタといると安心する・・・」

「そうか、よかった・・・(笑 」



「今夜は食事を楽しもう。それで家に送っていくよ」

「今度の話はね・・・・・また月に2回くらいの割合で会って欲しい。今の俺の願いだ」



私はそれに承諾した。

というか、心の中ではPさんに謝った。
一人の男性に決めることの出来ない私なのに。


「ベビーはさ、嘘がつけないんだな。俺がそれでいいっていうんだから、いいさ」




デザートの洋なしのキャラメルゼを添えたチョコレートケーキを食べる頃は私はPさんの顔をしっかり見つめ笑うことが出来た。






「じゃあ、11月に入ったらまた会おう」

Pさんはそう言った。






一人で部屋に戻ると
今夜頂いた美味しいあらゆる素材を思い出し
それを自分の中へ全て流し込んだ私を感じる。

消化されるまでは一人がいい・・・・

沢山食べないで品数食べる私の食事。





日替わりだっていいじゃない。
そう、思うことにする。

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