ゼロに戻す

2005年2月1日
私の過去の男たち。

思い出は全て甘い。

キリリと冷たい思い出はどうやら自ら消してしまったらしい。

違う箱に入れてしまって鍵がかけられてるはず。


この先死ぬまで会う事はないだろう。

私の「記憶」で彼等に会えるからいいのだ。


記念写真のように、跡切れた場面が浮かぶ。

初めて入ったラブホテルだったり、

デートの場所だったり、

交わした言葉だったり・・・・




Tの誕生日に私はケーキを買ってロウソクまでつけてもらって彼のマンションまで行った。

行く前までは、彼への気持ちが揺らいでいた。



Tの部屋は相変わらず殺風景で、

でも清潔に保たれていた。

それは私が好むものだ。

Tの選ぶもの、一つ一つがなんとも可愛いと思ってしまう。



黄色のスポンジだったり、お笑いのビデオだったり、

冷蔵庫の中のリンゴジュースだったり。。。。

私がTのマンションのドアを開けると、
彼は真面目な顔で「ほんとにこの前はごめん」と言った。



「ケーキ買ってたのよ。ハッピーバースデーやりましょう」







Tとの付き合いは過去にしたくない。

そう思った。

喧嘩したり思いがずれてしまったり、うまくいかなくても。。。

側にいて欲しいと思った。





ケーキとコーヒーを目の前にして、
私たちは話を続けた。

手を握ることもキスする事もなく・・・・





Tの整った綺麗な顔や喉仏や大きな手や低めの声が大切に思えた。




「俺・・・ベビーが一番いい。」

「ありがと」

「ベビーは?」

「今は何番だろう・・・(笑」

「一番じゃなくてもいいさ。競争じゃないし」

「一番好きなのは・・・・うちの犬かも(笑」

「ほらね。ベビーは口と心は必ずしもイコールじゃないって事」

「そんな事ないわ」

「嘘はつかないけど、本当の事は言わない。ズルイ人」

「・・・・・・そう?」

「そう。それに愛されたいくせに愛してくれない」

「私を知らないわね。」

「少しは知ってるよ。俺にも似てるし・・・」





話はずっとずっと終わりを知らない。

私とTはゼロに戻った。

いつまでも成長のない私達かもしれないけど。

これが居心地いいと思った。






___________________

最近、実家の犬の散歩をしている。

元々は私の選んだ私の犬だから可愛い。

雨でも強風でも歩く。


部屋に戻ると二匹の猫も待ってる。

夜は二人共ベッドに来る。

私よりも先に眠ってる。



犬も猫も大好き。

友達がこう言った。

「ベビーさぁ、独身の一人暮らしの女が、ペットに癒されてるなんて・・・なんか寂しいよねぇ」



そうかしら?

可愛いものは可愛い。



今は子供が苦手だけど、

自分が産んだら可愛くて仕方なくなると思う。



といっても、

この私と結婚する男性ってどんな人なんだろうか?

と。

他人事のように考える。

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